組み合わせて楽しめるリクシルの建材と人気家具店とのコラボレーションで彩る“私らしい”コーディネートをご提案する「インテリアレシピ」。
今回はLivingDeli編集室から、グレーを基調とした「モノトーン」のコーディネートをご提案。グレーのインテリアに自然素材のアイテムを組み合わせた、「温もりのあるラグジュアリーな空間」がテーマです。
白や黒のモノトーンアイテムは、シックな雰囲気を高めてくれますが、グレーをメインにすることで、上品で明るい空間を演出することができます。
【関連記事】
洗練された空間に。ドア・床・家具で叶う「グレーインテリア」の作り方
▼使用したアイテム
——————————
□室内ドア…ラフィス(グレー)
・把手…スクエアJ(ブラック)
□床材…ラシッサ Dフロア(ホワイトオークF)
□床タイル…タイムバーン(内床タイプ IPF-600/TMB-21)
□壁面タイル…エコカラットプラス(ファブリコ)(ネオトラバーチン)
——————————
- 目次
- (1)グレーを基調にしたモノトーンインテリアのコツ
- (2)素材違いのグレーを取り入れて「色の違い」を楽しむ
- (3)「グレー×自然素材」で温もり感じるリラックス空間を演出
- (4)艶のある金属素材を効かせて、ラグジュアリー感を高める
- (5)グレー系の床に、マットなドアを組み合わせて優しい雰囲気を作る
グレーを基調にしたモノトーンインテリアのコツ
棚に飾ったアート「Composition 01」(Paper Collective)
今回のメインカラーは「グレー」。
自然素材をミックスしながらコーディネートしているので「上質な大人の空間を作りたい」方や、「シンプルな自然素材のアイテムが好き」という方にもおすすめしたい空間です。
モノトーンインテリアというと、「白」と「黒」を想像しますが、選び方によってはモダンすぎたり冷たい印象になりやすい組み合わせでもあります。温度感のある雰囲気を作りたいなら、グレーを取り入れつつ素材感を意識するのがおすすめ。
今回は、床や壁にも表情がある素材をセレクトし、上品さの中に温もりと柔らかさを感じられる空間に仕上げました。
素材違いのグレーを取り入れて「色の違い」を楽しむ
グレーのアイテム選びで意識したのが「色の違い」です。
グレーのバリエーションは幅広く、黄みがかったグレーもあれば、青みがかったグレーもあり、それぞれの濃淡も含めると、さまざまな選択肢があります。今回はあえて素材も色味も統一せず、グレーの幅を楽しむ空間を目指しました。
例えば、漆喰のようなムラ感がある「壁面収納」や、節のある木目が特徴的な床材、ファブリック素材の「ダイニングチェア」や「ソファ」。
「ABOCK DINING CHAIR」(CRASH GATE)
すべてグレーカラーですが、それぞれの材質と色のトーンが異なります。それでもチグハグな印象を抱かせないのは、それぞれの「素材感」がしっかりと感じられるから。
グレーアイテム一つひとつに、石目や布目の表情があるからこそ、各々が主張しすぎることなく、色味を調和させることができました。
もし異なる色味のまま素材感を統一していたら、微妙な色の違いが気になり、チグハグな印象を与えていたでしょう。同じ質感のアイテムで揃えたいなら、グレーの色味を統一するときれいにまとまるはず。
リビングとダイニング部分では「色の濃淡」に差をつけてゾーニングしました。
リビング部分は、明るいグレーやグレージュの面積を多くし、ダイニング部分は、チャコールグレーやアクセントで取り入れたウォルナットなど深みのあるアイテムでまとめています。
このように、色の濃淡を意識することで、統一感を保ちつつ、空間を用途ごとに差別化してくれます。壁などで物理的に空間を仕切らないので「開放感を保ったままゾーニングしたい」という方にぴったりの手法です。
「グレー×自然素材」で温もり感じるリラックス空間を演出
グレーアイテムは、自然素材と組み合わせることで「温もり」や「動き」をプラスしてくれます。今回は節のある木目柄がハッキリとした床材「ホワイトオークF」を空間のベースに、家具や収納も木素材や漆喰風のカラーを選びました。
「MARCO LOUNGE CHAIR」(CRASH GATE)、「Mistra floor lamp」(DI CLASSE)
「NODEⅡ DINING TABLE WN_LEG01」(NOWHERE LIKE HOME)
グレートーンの中で目を引くラウンジチェアとダイニングテーブルは、深みのあるウォルナットカラー。空間のメインカラーとして用いられるような木目カラーを今回は引き締め役となるアクセントカラーとして採用しています。
あくまで今回は引き締め役なので、これ以上ウォルナット系のアイテムを増やすとバランスが崩れ、モノトーンインテリアではなくなってくるので注意しましょう。
「SIDE TABLE & STOOL LOLO」(NOWHERE LIKE HOME)
サイドテーブルとしても使える木製スツール。割れの有無や仕上げ方法に個体差があり、一つひとつ表情が異なりるため、ほど良い存在感で自然な雰囲気をプラスしてくれます。
明るいチーク材は、ホワイトオークの床と馴染み良い明るさで、目立ちすぎることなく、空間の物足りなさを埋めてくれました。
艶のある金属素材を効かせて、ラグジュアリー感を高める
収納は「カノール」棚板:ラスティックブラウン/扉:ホワイトスタッコ、壁面は「エコカラットプラス」のネオトラバーチン(ともにLIXIL)
今回は、ラグジュアリー感も表現するため、グレーのアクセントとして艶のある金属素材を加えています。
ダイニングには、ゴールドカラーのペンダントライトを。また、壁面収納のフレーム部分は、「ニッケル色」と呼ばれるシルバー素材が使われています。
黄みがかったシルバーが照明とともに上質な雰囲気を高めてくれます。艶のある金属素材は上質な印象をプラスしてくれるので、「ラグジュアリーな雰囲気を高めたい」という方は、ぜひ試してみてください。
壁面のアート「Simplicity 02」(Paper Collective)
同様にアートやダイニングチェアの「黒」もアクセント要素として使っていますが、全体の1割にも満たない配色を意識しています。グレーの魅力を高めるために、主張の強い色は控え、明るい空間をキープすることができました。
グレー系の床に、マットなドアを組み合わせて優しい雰囲気を作る
「ラシッサ Dフロア」のホワイトオークF(LIXIL)
床には「ラシッサ Dフロア」 ホワイトオークFを選びました。
グレーのニュアンスを含んだカラーなので、今回のようなモノトーンインテリアや自然素材のインテリアにも馴染みよく、明るく優しい空間を作ってくれます。特にこの床材は、しっかりと節目が感じられるので、自然な雰囲気も高めてくれます。
モノトーンインテリアでは、白い床で無機質さを演出したり、ダークな床でシックな雰囲気にしたりする方も多いですが、「温もりと柔らかさもプラスしたい」という場合は、今回のような明るい木目模様の床がおすすめです。
「ラフィス」グレー(LIXIL)
ドアは「ラフィス」のハイドアをセレクト。マットなグレーが優しい印象で、ドアの付け根の部品「丁番」を白にしたことでオブジェのような佇まいを醸し出しています。
壁面は「エコカラットプラス」ファブリコのベージュ(LIXIL)
ドア横の壁には凹凸の素材感がある「エコカラットプラス」のベージュ。壁と床に表情があるからこそ、ドアにはあえて「静けさ」を求めました。ニュートラルなグレーが、モノトーン感を高めつつ空間に落ち着きを与えてくれています。
さまざまなグレーアイテムで、モノトーンインテリアの幅を広げよう
「MONS SOFA」(SIEVE)
今回のコーディネートでは、「余白」を意識し、アートや観葉植物を多めに組み合わせることでゆったりとした「くつろぎ感」を演出しました。
モノトーンインテリアでは、余白を多くしてしまうと、殺風景な印象になりがちですが、小物を効果的に使えば回避することができます。「物足りない」と感じた場所に、小物をセレクトしてみてくださいね。
グレーをベースに自然素材をミックスして作った、モノトーンインテリア。モノトーンの楽しみ方は、白と黒だけではないということが伝わるとうれしいです。質感の異なるグレーアイテムをセレクトし、優しく温かなモノトーン空間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
・撮影:軽部きはる(@kyaruxx)
・取材執筆:佐藤有香