欧州の強豪チームとの対戦と言えば4/4、4/5エキビションマッチではオランダと4試合戦って1勝3敗の成績に終わっています。東京で戦う1週間前の国際試合では快勝していた相手だったのですが、なかなか厳しいですね。
「自分たちはフィジカルや足の速さでは勝てないチーム。私たちはそういう欠点を補いながらどう戦っていくかということにフォーカスしながら練習を重ねています。それでも、そういう自分たちのプレーに対応された時にこちらが修正しきれなかった。ゲームの中での修正能力でチームの弱さが出た結果だと思っています。」
今年は最大のターゲットである国際大会のアジア予選があり、これまで以上に遠征、合宿とフル稼働している印象ですが、仕事との両立は大変ではないですか。
「わたしの場合は、いまの代表チームの中では一番長く会社で働いてきた選手だと思うし、ラグビー自体も会社に入ってから始めたのですが、会社が私という人間を理解してくれたので、続けられてきたという面が大きくて感謝しています。昨年は女子ラグビーをめぐる環境が一気に変わった年だったと思っています。会社にも応援されている分、それぞれの選手がラグビー以外で頑張ることで、いい環境で競技に専念できることに繋がってきていると思います。」
そもそも、どんなきっかけでラグビーを始めたのでしょうか。
「大学まではバレーボールをやっていて、それまではラグビーはまったく見たこともなかったです。大学の時、アメリカンフットボールの応援に行ったら、すごく気持ちよさそうだった。芝の上で走り回ったり、コンタクトプレーもあって。ラグビーにはそういうプレーはないんですけど、アメフトだとタックルに来た人を飛び越えるみたいなプレーもあって、すごいカッコいいなと感じて。中学校からずっとバレーボールをやっていたので、今度は体育館で風もなくて息が詰まる中でプレーするのではなく、外で開放感に溢れたスポーツをやってみたいと考えたんですよね。
就職で東京に行くことが決まって、最初はアメフトのチームを探したんですけど、そうこうするうちにラグビーのチームにたどりついて、『ラグビーもカッコいいなあ』って。
それでラグビーチームに参加してみたら、コーチの人から『ラグビーの試合観たことある?』って訊かれて、そういえば『観たことない』そんなレベルでした。」
最初にプレーしてみた時の印象は?
「本当に楽しかった。コンタクトありだし、芝生の上でいっぱい走れて、いきなりハマってしまいました。」
竹内選手にとってのラグビーの一番の魅力はなんですか?
「わたしは本当に不器用なんですよ。他の代表選手はFWもBKもできる選手が多い中、自分だけは『絶対にFWから動くな』と言われているくらいで。
足も遅いのですが、持久力だけはあるので、だいたい10分くらい経つと、他の選手よりも速く走れるようになっているんです。みんなヘトヘトになっている時に『ここで頑張れば前に出られる』という感じでスピードを出すと、みんなを抜いて前に行けたり。こんなわたしでもできることがあるのがラグビーの凄いところ(笑)。
自分は本当にちょっとしたことしかできないのに、それをチームのビッグプレーにつなげてもらえたりして、地味なプレーヤーなのに、それでも絶対にいなくちゃいけないと思えるところが楽しいです。」
遠征に必ず持っていくグッズなどあったりしますか?
「どうだろう……逆に、持っていかないものはありますね。海外のボディソープとか、いい香りのものが多くって、スーパーで売っているような安いものでいいんですけど。それを現地に着いて初日に買うことにハマッています。
遠征に出発する時は荷物を軽くしていって、帰りに買い込んできて。日本でも『これはどこどこに行った時に買ったものだなあ』と思い出に浸りながら使ったり。
でも、合宿とかあると、1日4回とかシャワーを浴びたりするので、すぐになくなっちゃうのが悩みですけど。(笑)」
サクラセブンズのみなさんはグラウンドを離れた時、どんな話で盛り上がったりするのでしょう。
「結局ラグビーの話になっちゃいますね。もう家族みたいな存在なので、結構キツいことも言い合うんですけど、全然気にならないです。」
合宿中の息抜きなどは?
「一番の楽しみは、だいたい期間中にメンバー誰かの誕生日があるので、サプライズパーティをすることですかね。でも、もう2年間くらいやっているので、ネタバレしていたりするんですが、そういう状況でもどうやって欺くか。今回の合宿も中村(知春主将)の誕生日があったんですけど、今回の作戦は1年前にやったサプライズをそのまま再現するというもの。まさか同じパターンを2回続けないだろうというのの裏をかきサプライズ成功しました。」