こんにちは。コイズミ照明株式会社 あかりエバンジェリストの小篭です。
最近は「アイストップ照明」といって、単に明るさを確保するだけでなくその空間で暮らす人々の“目を引き付ける”照明が人気です。
今回は、LIXILの室内ドア「ラフィス」の展示空間でご提案した「ガラスドア越しで映えるアイストップ照明」のテクニックを3つご紹介します。
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- 目次
- ダブルペンダントで! 2種類のあかりで洗練されたキッチンに
- ダブルペンダント使いで気をつける2つのポイント
- レイヤーライティングで!アートを照らす2つの照明テクニック
- スポットライトで!手元照明にもなるアートの照らし方
- 空間を豊かに彩る「あかりデザイン」をWEBでシミュレーション
ダブルペンダントで! 2種類のあかりで洗練されたキッチンに
最近はLDKスタイルが定着し、リビングなどから眺めて美しいインテリア性の高いキッチンが人気です。そのため、照明も作業スペースでの機能性だけではなくインテリアに合わせたペンダントライトを選ぶ人が増えています。
さらに注目されているのは、もともと人気だったダイニングでのペンダントライトに加え、キッチンでもペンダントを設置する「ダブルペンダント使い」という新たなスタイル。
ダイニングとキッチンの吊高さ、配光・デザインを変えたダブルペンダント使い
LIXIL「ラフィス」展示空間でもダイニング空間に2種類のペンダントライトを取り入れてスタイリングをさせていただきました。
キッチンではまぶしさを抑えながらも手元を効果的に照らすスタイリッシュな「Y-Pendant」、ダイニングでは有機的なフォルムで柔らかく発光する「Gradation×glass」をセレクト。
キッチンカウンター(高さ85cm)からペンダント下端までの距離70cm
キッチンペンダントの吊高さをカウンター(高さ85cm)から器具の下端が70cmと低めに吊ったことで、ペンダントの発光部分が作業中に目に入らず、まぶしさを抑えることができています。
ダブルペンダント使いで気をつける2つのポイント
ダイニングでのダブルペンダントライト使いについて、設置の際の気をつけたい2つのポイントをご紹介します。
秋葉原にあるコイズミ照明の「ライティングラボラトリー」にて、数パターンのペンダントを実際に吊り、どのスタイルが好まれやすいのか検証しました。
キッチンカウンター(高さ85cm)、ダイニングテーブル(高さ70cm)で検証
(1)高低差をつけてリズミカルに
1つ目のポイントは、小型ペンダント多灯吊の場合、ダイニングを低めに吊りキッチンペンダントとの高低差があると良いこと。同じ高さより違う高さのほうがリズミカルでバランスが良いと感じる人が多い結果となりました。
どちらもキッチンとダイニングであえて異なるデザインをコーディネート
(2)異なるデザインの照明を選ぶ
2つ目はキッチンとダイニングにあえて違う配光(光の広がり方)やデザインのものを選ぶと良いということ。実際、ラボラトリーでの検証でも、遊び心のあるこのスタイルを好む方が多い結果でした。
この場合キッチンには作業性を損なわないよう、金属など光を透過しないセードで、手元を効果的に照らすことができ、まぶしさの少ないペンダントライトを選ぶようにするとよいでしょう。
レイヤーライティングで!アートを照らす2つの照明テクニック
LIXIL「ラフィス」展示空間では、ガラスドア越しのアートを引き立てる間接照明にペンダントをプラスした「レイヤーライティング」としました。
レイヤーライティングとは2種類以上の照明の重ねづかいのことで、最近増えている照明手法の一つです。
間接照明で壁をムラなく照らし、アクセントのペンダントをプラス
基本の照明は、美しい光壁をつくる間接照明(コーニス照明)です。より均一に壁面を照射できる照明器具(ライトバー中角タイプ)を採用し、アートを含めた壁面全体を浮かび上がらせています。
そこに、アクセントとなるペンダントライトをプラスし、印象的な雰囲気に仕上げました。
(写真左)通常のアートは額縁の影が目立つ
(写真右)エコカラット(出幅10.5mm)なら美しい(どちらもコイズミライトバー中角使用)
注意したいのは均一な光壁をつくる間接照明でアートを照らす場合、どんなアートとも相性が良いわけではないということ。
こちらは、ライトバーと相性の良いアートを検討した比較写真です。通常の額縁入りアート(検証では出幅30mm)を間接照明で照らすと額縁の影が目立ちますが、今回はLIXILの「エコカラット アール・ブリュット」(出幅10.5mm)だったので、間接照明の光が伸びて美しく仕上がりました。
額縁入りアートの場合だと、次にご紹介するスポットライトで手前から照らしす方法がより美しく仕上がります。
スポットライトで!手元照明にもなるアートの照らし方
こちらの空間ではベッドヘッドのアートをスポットライトで引き立てました。アートはLIXILの「エコカラット アール・ブリュット」です。
アートへのライティングは空間のアクセントとなるアイストップ照明として選ばれる場合がほとんどですが、今回は反射した光でベッドに座って本が読める手元照明としての役割も兼ねています。
そのため反射率の良い白ベースのアートを選び、グレーのクロスとコーディネートされています。
天井高2400mmで壁から800mmの位置からスポットライトで照射した場合。アートの中央が効果的に照らされている。
天井高2400mmで壁から450mmの位置からスポットライトで照射した場合。上部が明るすぎて気になる
一般的な住宅の天井高さでアートを照らす場合、アートの中心が床から1500mmの位置になるように設置することが多いようです。この場合、スポットライトは壁から600~900mm程度話して設置するとよいでしょう。
アートのサイズやフォルムで条件は変わりますが、あまり近づけすぎると上部が照らされ肝心のアートが暗くなるので注意が必要です。
空間を豊かに彩る「あかりデザイン」をWEBでシミュレーション
コイズミ照明のホームページにはバーチャルライティングシミュレーションというツールがあります。基本的な照明スタイルの効果を確認することができますので、照明計画の際にはぜひご活用ください。
▶︎バーチャルライティングシミュレーション
今回ご紹介したアイストップ照明を取り入れたい場合は、シミュレーションの設定時にあかりデザインで「立体的な明かり」を選んでください。
アイストップ照明を取り入れてワンランク上のインテリアに
単に明るいだけでなく、暮らす人の目を引き付けるアイストップ照明を取り入れて上質感あふれるお家づくりをしてみてください!
参考にしていただければ幸いです。
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