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ものづくりLAB

―タイル名称統一100周年企画―
ツバメアーキテクツ×LIXILやきもの工房
ツバメとつくるタイル 第二回

芦澤さんがみたらしタイルをつくる

ここで、芦澤さんに「みたらしタイル」のつくり方を解説してもらう。みたらしタイルの基本の化粧材料は「泥」。外装用タイルの粘土原料を水で流動状に溶いたものだ。化粧手法は「流し掛け」と「ディップ」の2つで、両方とも手作業で一枚一枚施釉する。「けっこうむずかしいんです。どんな道具を使ったらいいか、どんな手順がいい表情を出せるのか、ツバメアーキテクツの皆さんと考えながら、試しながら考えていきました」。現われる表情がすべて違ってくる。その違いがツバメの目指す偶然性のおもしろさになる。

みたらしタイル<流し掛け>をつくる

みたらしタイル<流し掛け>をつくる

材料を用意する。泥にはタイルに定着しやすいよう糊を調合してある。よくかき混ぜ、ダマがないようふるいす。

みたらしタイル<流し掛け>をつくる

次回も同じ泥の濃度にできるように、メスシリンダーとはかりで比重を計り、記録しておく。

みたらしタイル<流し掛け>をつくる

ひしゃくを使い、タイル素地の上隅から流し掛ける。

みたらしタイル<流し掛け>をつくる

手前に引きながらひしゃくを傾けて、二掛け、三掛けしていく。

ひしゃく一杯分を掛け終わった。流れの途中で二股に分れるようすがおもしろい。

みたらしタイル<ディップ>をつくる

みたらしタイル<ディップ>をつくる

ディップはどぼんと浸ける施釉法。バットに泥を注ぎ、広げていく。

みたらしタイル<ディップ>をつくる

ひたひたに満たした泥の上にタイル素地をそっと伏せる。

みたらしタイル<ディップ>をつくる

伏せたら静かに持ち上げる。全面に泥がついて不思議なムラがあらわれる。

みたらしタイル<ディップ>をつくる

泥に浸けるときのタイルの角度や持ち上げるタイミングによって空白も出てくる。「どういう柄が出るか、やってみないとわからないです」。

みたらしタイル<ディップ>をつくる

思いがけない柄とムラが生まれるのがディップの魅力。ムラは焼成後もそのままタイルの表情となる。

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