デジタルの活用により業務効率化を推進。全体最適をめざし組織横断で課題の解決を

生産技術

トイレ空間事業部 トイレ空間製造部 知多工場 トイレ生産企画課 システム企画T

T.M / 2018年入社 
情報系

#経験者 #新たな目標

業務の改善を支援するシステムを開発。未来を見据えデジタル人材の育成にも尽力

私が所属するトイレ空間製造部 知多工場では、トイレの組み立てから出荷までを行っています。工場で使用するシステムの運用保守や改修を通じて、業務の課題を解決することが私の役割です。

その中でも私がとくに力を入れているのが、デジタルの民主化を浸透させることです。LIXILでは、従業員一人ひとりが自律的にデジタル化を推進できるよう支援する動きが広がっています。その一環として全社的に取り組んでいるのが、クラウドツールであるGoogle Workspaceを活用したデータの収集です。そこから工場に関わる生産データや売上データなどを誰もが扱いやすい形に加工して分析し、データに基づいたアプローチで業務の改善や生産性の向上を図っています。

また、トイレ空間事業部に対するデジタル教育も担当。取り組んだテーマとしては2つあります。一つは社内データの収集・分析に用いるBIツールの活用スキルを習得することです。もう一つは、生成AIに関する理解の促進です。急速に進化するChatGPTを業務に活用するには、そもそもAIとは何かを知る必要があります。この2つのテーマをもとにテキストを作成して配布し、ハンズオンで研修を行うなど、事業部全体のデジタルリテラシーを底上げする取り組みを実施しました。

私がこうして教育に注力しているのは、日本企業が直面しているデジタル人材の不足という課題を、自律的に解決できる組織にしていきたいという想いがあるからです。教育が生み出す利益は短期的には見えにくいですが、将来に向けて大きな投資になると考えています。そうした視点を、仕事をする上で私はいつも大切にしています。自分が取る行動の一つひとつが、将来的に利益につながるか。それを常に意識しながら仕事に取り組んでいます。

そしてもう一つ心がけているのが、他人に興味を持つということです。私たちのチームは業務上の課題を解決することで利益を創出しているため、単体では機能しません。利益のもととなる課題を見つけるためにも、まず相手の業務や立場を理解する姿勢を大切にしています。

提案を形にできる環境を求め社内SEへ。製造工程を学ぶため、自ら現場に出て質問

前職では、建設業界で使用する業務システムの開発を行っていました。そこで要件定義や基本設計、詳細設計といった上流工程を担当し、システムエンジニアとして約8年経験を積みました。

転職を考えた理由は、自分の提案を形にできないもどかしさを感じていたからです。商社からの依頼を受けて開発業務を行っていたため、システムを利用する顧客とは直接やり取りができず、自分が良いと思うシステムを追求することが難しい環境でした。

課題の解決に役立つシステムを開発したい。そんな想いが強くなり、自分がやりたい仕事を実現できる環境を探して見つけたのが、LIXILです。最終面接を担当したのが入社当時の上司なのですが、話をしていて直感的に「この人と一緒に働きたい」と思いました。また、自分のスキルを高く評価してくれ、戦力として必要としてくれている姿勢が伝わってきたことも、入社の決め手となりました。

入社後はサプライチェーン本部に配属され、鹿島工場に勤務。製造業は未経験だったので、まずは製造現場に入れてもらい、そこで製品ができるまでの工程を学びました。ただ見学するのでなく、作業している人の手が空いたのを見計らい、わからないことはとにかく質問。すると顔を覚えてもらえるようになり、次第に信頼関係が構築されていきました。

その時に感じたのが、現場を知り、そこで働くメンバーと対話することの大切さです。質の高いシステムを開発するためにも、机の上で考えていてはわからないことがあると実感しました。

その後はサプライチェーンの最適化を支援するシステムの開発を担当。設計や製造などさまざまな工程を部門横断で業務の改善に携わりました。そうした経験を活かしてさらに製造現場の課題を解決し、全体最適を図るべく現在の部署に異動することになりました。

前職の知見があっても、LIXILが手がける製品やサービスは多岐にわたることから、商流や物流について熟知できていなければ全体最適を図ることができません。入社した当初は知識を吸収するのに時間を要した面もありましたが、現場を学ぶなどして培った知見を活かし、今ではデジタル化の推進に貢献できている実感があります。

キャリア入社の視点を強みに、全体最適をめざす。組織横断でコミュニケーションを

私は課題の解決に役立つシステムを開発したいという想いで転職しましたが、とくにそれが実現できた案件があります。知多工場に配属された当初に担当した、業務の属人化を解消するためのプロジェクトです。

その業務は10年以上同じ人が担当し、その人にしかノウハウが蓄積されていない状態が続いていました。それを誰もが担当できるよう、システムを活用して経験に頼らなくても遂行できる仕組みに変更。属人化が解消されたことで、その担当者は業務の効率化が進み、プライベートの時間も増えたと、私にわざわざお礼を言いにきてくれました。

こうして誰かの役に立てることに大きなやりがいを感じる一方で、局所的な貢献で満足していてはいけないという思いもあります。工場としてどれだけ生産性が上がったかということや、事業部としてどれだけ利益率を改善することができたかなど、経営的な視点で自分にできることを考え、対応範囲をさらに広げる必要があると考えています。

そのためにも今後取り組んでいきたいのが、組織を超え、横のつながりを強化するということです。LIXILは規模の大きな組織体である分、さまざまな部門や部署、課に分かれており、自分以外のチームが担当している業務が把握しづらいと感じることがあります。全社的に業務効率化を推進して利益を創出するためにも、組織を超えて連携し、共に課題を解決するという土壌をつくることが必要です。

そこで、私のように別の会社のカルチャーも経験し、客観的にLIXILを見ることができるキャリア入社の人間だからできることがあるのではないかと考えています。とくに私は、LIXILに入社してからサプライチェーン本部で2年、トイレ空間事業部で3年と、どの部署においてもまだ経験が浅い状態です。

そんな私だからこそ、自分が所属する部署や担当領域にこだわらず、組織を超えていろいろな人とコミュニケーションを取ることができると思っています。自分が仲介役となり、全体最適を進めるために必要な人と人を組織横断でつなぐこと。それを意識しながら会議の場をセッティングするなど、できることから取り組みを広げています。

働きがいのある環境で、成果を追求。従来のやり方にとらわれず、デジタルで改革

LIXILで働き始めて約5年が経ちましたが、入社以来変わらず感じているのは、社員を大切にする会社だということです。日々変化する世の中の動きだけではなく、社員のニーズに合った福利厚生や待遇など、一人ひとりが働きやすい環境をつくろうとする会社の姿勢を感じています。

このように充実した環境を活かして成果を出すためにも、自身の強みであるシステム開発のスキルを活かし、生産性の向上や業務の改善を今以上に推進していきたいと考えています。そして部署と部署、さらに上流の部門と部門というように、組織の垣根を超えてより本質的な課題を解決し、会社の成長に貢献していくことが目標です。

組織横断で全社的に改善を進めていこうとする人材が増えれば、さらにダイナミックな変化が生まれると信じています。そのためにも、デジタルの知見を持つ新しい仲間が加わってくれたらうれしいですね。キャリア入社の強みは、これまで培った技術やスキルが活かせるのはもちろんですが、今までにない視点から意見を言えることだと思います。

既存の価値観に染まっていないからこそ、改善のチャンスに気づくことができる。それがやがて、大きな改革へとつながっていくかもしれません。私はLIXILに入社するまで、システムエンジニアとして評価されるのは知識の量や技術力の高さだと思っていました。でも会社の仕組みを知らないことが武器になる場合もあるのだと、意識が変わりました。それは社員の多様な考えを受け入れ、良いアイデアを積極的に取り入れようとする風土がLIXILにはあるからです。

だからこそ既存のルールにとらわれず、自分の意見を発言して新しい風を吹き込んでくれるような人が当社には向いていると思います。統合前も含めるとLIXILは長い歴史を持ち、事業領域も多岐にわたるため、デジタルで改革できるフィールドはまだまだたくさんあります。自分の能力を活かして新しいことに挑戦したいという意欲がある人と、LIXILの未来を切り開いていきたいです。

*所属・内容等は取材当時のものです。