リビング・ダイニング・キッチンの快適さと健康の関係
リビング・ダイニング・キッチンの空気や温度などの環境を快適にすると?
住まいの空気や温度といった環境は、家族の身体にどのような影響を与えるのでしょうか。
リビング・ダイニング・キッチン空間で見ていきましょう。
空気
忘れられがちな「におい」の環境づくり
室内環境の快適性とにおいの関係
朝起きて、まだ昨日の夜ご飯のにおいがする・・・。ということが、誰しもあるのではないでしょうか。
この時、多少のにおいくらいなら、と思うかもしれませんが、この「におい」の対策が疎かになると、生活環境全体の評価に影響することを示唆する興味深い研究結果があります。
- 出典元:光田恵,山崎古都子,大迫政浩,西田耕之助:生活環境中のにおいに対する居住者の意識に関する研究,家政学研究,第38巻 第2号,pp.116-126,1992.3 引用改変
こちらは住居内の性能と快適性の満足度の評価の2軸で
アンケート結果をプロットした図です。
図中左上の範囲、住居内の性能には満足しているものの、快適性には不満がある回答が確認できます。この多くが、生活環境の中の不満点の上位三位に「におい」をあげていました。
このことから、においも生活環境の一要素であり、生活環境全体の評価に影響することが分かります。
つまり、住宅の設備だけではなく、においをはじめとした生活環境を整えていくことも同等に重要であることが示唆されます。
- ※調査方法:
アンケート調査(回収224票)で、生活環境の「総合評価」と「11の項目の評価」、「生活の不満点」を、それぞれ5段階で評価。
- 出典元:古賀 良彦, においと脳波, 空気清浄,47(6), pp.9-14, 2010
また別の研究結果では、悪臭は脳の機能に好ましくない可能性があることが示唆されています。
リラクセーション度の指標として有用性が認められている脳波中のアルファ派というものがあります。
実験では、このアルファ波とリラックス度合の主観評価の、カビ臭などの悪臭暴露による変化を比較しています。結果、悪臭に曝されていないときに比べ、アルファ波量の減少が確認されました。さらに30分間悪臭に曝された時、自覚的な評価ではリラックス度の低下は弱まったものの、アルファ派は有意に減少したままでした。
このことから、自身は気づかなくても、悪臭は脳の機能に好ましくない作用を及ぼし続ける可能性があることが示唆されます。
つまり、室内環境のにおいの対策が疎かになると、知らず知らずのうちにリラックスしづらい環境となってしまっているかもしれません。
- ※調査方法:
20歳台の健康女性10名の被験者に、蒸留水(無臭コントロール)または試料1mlを綿球2個に浸透させて試験管に入れ、脳波測定時に被験者の鼻前3cmの位置に提示した
カビ臭には人工の香料を用いた。
脱臭で不快なにおいを軽減!
リビング・ダイニング・キッチン空間を脱臭することで不快なにおいを軽減できます。
空気
アレルギー症状が出てつらい
環境アレルギーが活発だとアレルギー症状も大きくなります
リビング・ダイニング・キッチンは、食事や家族の団らんなど、みんながリラックスするスペース。安心して過ごしてほしいけど、花粉の時期は室内でもむずむず・・・。原因は、家の中まで入り込んでしまった花粉やダニなどの環境アレルゲンです。
室内でダニが生息する範囲を調べたところ、床から高さ50cm以内に多くのダニが生息していることがわかりました。この高さは小さなお子さまやペットの活動範囲と同じです。心配ですよね。
- ※当社調べ。部屋の使用条件、気象・換気などの環境条件によって異なります。
環境アレルゲンの働きを抑制する!
環境アレルゲンの働きを抑制することで快適に!
空気
室内干しによる室内湿度の上昇
カビ・ダニ発生の一因である室内湿度の上昇
共働き家族の増加、花粉やPM2.5など屋外の空気環境問題により、「部屋干し」が増えています。帰宅後の夜間の部屋干しや換気の頻度が少ない場合は、室内の湿度が上昇しジメジメしてしまいますよね。
カビの発育と環境
水まわりや湿気の多い場所に発生するカビ。カビは壁や床を汚したり、木材を腐敗させるだけでなく、人体にも悪影響を及ぼします。普段私たちが見かけるカビは、湿度80%以上の環境で 活発に 繁殖します。また、アレルギー 疾患の一因 であるダニも高湿度を好みます。
ダニの増殖と環境
- LIXIL エコカラットプラス技術資料2019より
部屋干しでも室内の湿度を快適に!
リビング・ダイニング・キッチン空間を調湿することで不快な湿度を軽減できます。
明るさ
陽だまりのリビングで夜もぐっすり!
光と体内ホルモンの関係
部屋いっぱいに太陽の陽が降り注ぐと、さわやかな気持ちになりますよね。
このとき、体内ではどのようなことが起きているかご存知ですか?
体内には、夜間に脳から分泌されるメラトニンというホルモンがあり、睡眠や気分に作用することが古くから知られています*1
夜ぐっすり眠るために必要なメラトニンの分泌量が、日中の光の浴びる量と関連することが、奈良県立医科大学の研究で報告されています。
- *1Brzezinski A. Melatonin in humans. N Engl J Med. 1997; 336:186-195.
- 出典元:大林賢史ら. J Clin Endocrinol Metab, 2012; 97: 4166-4173.引用改変
192名の被験者について、日中に1,000 ルクス以上の光に曝露した時間と、夜間のメラトニン分泌量を調査した結果、年齢・喫煙の有無・身体活動量によらず、正の関連があることが確認されています。つまり、日中にたくさん光を浴びているほど、メラトニン分泌量が多かったことを示しています。
- 測定条件:
腕に巻いた腕時計型照度センサーを用いて光曝露を4日間測定し、夜間就寝中メラトニン分泌量を尿サンプルから推定し、関連を統計解析した。
光をたくさん採り込んで、寝つき良く!
リビング・ダイニング・キッチン空間に光をたくさん採り込んで、メラトニンの分泌を増やします。
コミュニケーション
笑顔あふれるコミュニケーションで
生活習慣病に負けない体づくり!
笑うことと生活習慣病の関係
家族と笑顔あふれる毎日を過ごしたいですよね。
そのために家族がそろった日曜日、いつものリビングに集まるのもよいですが、ウッドデッキに一歩踏み出せば、すがすがしさや新たな住まいの楽しみ方も得られます。
お家での過ごし方の工夫で、家族団欒がいっそう笑いに包まれそうですね。
さて、この「笑うこと」ですが、身体にどのような影響をもたらしているかご存知ですか?
ある研究では、日常生活で声を出して笑う頻度と糖尿病の有病率との関連を調べた結果、毎日声を出して笑っている人に比べて、週に1〜5日程度笑っている人は1.26倍、糖尿病の有病率が高いことが確認されました。さらに、同対象の追調査でも同様に、有意に糖尿病発症のリスクが高い結果となりました。*1
- *1調査概要:秋田県I町及び大阪府Y市M地区住民のうち、2007年〜2008年に健診を受診した4,780人(男性1,786人、女性2,994人、平均年齢59歳)を対象として、日常生活における声を出して笑う頻度と糖尿病の有病率との関連を検討した。その結果、毎日声を出して笑っている人に比べて、週に1〜5日程度笑っている人は1.26倍(95%信頼区間:0.97− 1.65)、月に1〜3[もしくはほとんど笑っていない人は1.51倍(同:1.08−2.11)糖尿病の有病率が高かった。さらに、この集団を平均5.4年間追跡調査し、笑いの頻度と糖尿病発症との関連を前向きに検討した結果、男女ともに笑いの頻度と糖尿病発症との有意な関連がみられ、毎日声を出して笑っている人に比べて、週に1〜5日の人は有意に糖尿病発症のリスクが高かった。
出典元:大平哲也、Comprehensive Medicine 全人的医療、 pp20-27、 17(1) 、 2018
では私たちは実際、日常生活どのような場面で笑っているものでしょう。
右図は、大阪の地域住民4,780人を対象に、どのような場而においてよく笑うかのアンケート結果をプロットした図です。
男女ともに、「家族や友人と話をしているとき」の回答が最多となっています。
また、Top3にも「子供や孫と接しているとき」となっています。
家の中でも多様なコミュニケーションの機会を作り、楽しい毎日を過ごしたいですね。
- 男女別にみた日常生活における笑いのもと(複数回答)
- 出典元:大平哲也,
Comprehensive Medicine 全人的医療, pp20-27, 17(1) ,2018 引用改変
リビング空間でのコミュニケーションを多様に!
リビング・ダイニング・キッチン空間が広がることで、笑顔あふれるコミュニケーションを!
温度
暖房をつけても新たな冷気は入ってくる!
室温と血圧の関係
朝、暖かい布団から出てリビング・ダイニング・キッチンへ行くと、夜の間に冷え切っていてとても寒い・・・。また、暖房でお部屋を暖めても、窓側から冷気が流れて足元にたまってしまいます。お部屋の温度は血圧への影響も見られます。
例えば、お部屋の断熱対策を実施すると、改修後に家庭で測定した血圧が有意に変化したという結果もあるのです。
- 出典元:国土交通省スマートウェルネス住宅等推進事業調査
第三回中間報告会(2019.2.1)資料より
【断熱改修前後の家庭血圧】
「断熱改修した群」は「しなかった群」と比べて、工事後に平均して起床時の血圧が1.5mmHgと有意に低下しました。
断熱で冷気の侵入を軽減!
リビング・ダイニング・キッチン空間を断熱することで冬の温度低下を軽減できます。