部屋の境目など、異なる材質が隣接している場所には「見切り材」を用いるのが一般的です。見切り材には床用や壁用がありますが、この記事では床の見切り材にフォーカスします。
床の見切り材は床全体の面積からすると細く目立ちにくいパーツですが、実は部屋の印象を左右する大切なポイント。そんな見切り材にも選択肢があるんです。
最近では、見切り材選びにもこだわって部屋作りを楽しむ人も増えています。そこで今回は、床の見切り材の機能も理解しながら、バリエーションや、選び方を施工事例とともにご紹介します。
【関連記事】
多彩なバリエーションから選べる「巾木」選びのポイントとは?【見落とさない家づくり】第2回
「階段手すり」は色や形の種類が選べる!ラウンドとスクエア、全6色のカラーラインナップ【見落とさない家づくり】第3回
「ドアノブ」の交換で部屋の雰囲気が変わる!種類豊富なバリエーションと選び方のポイント【見落とさない家づくり】第4回
- 目次
- 床同士のつなぎ目に必要な部材!床「見切り材」の役割
- 馴染ませる?目立たせる?「見切り材」選びのポイント
- SNSで人気沸騰中?アルミ素材のスリムな「見切り材」がお洒落!
- 種類豊富!リクシルの選べる「見切り材」ラインナップ
床同士のつなぎ目に必要な部材!床「見切り材」の役割
床「見切り材」は、異なる床材同士を突き合わせたときに生じる段差や隙間を解消し、各々の端部をきれいに納めることを目的に使われます。
たとえ木質調の床材同士であっても、張り方を変える際には、見切り材を使うことが多いようです。
馴染ませる?目立たせる?「見切り材」選びのポイント
見切り材を床色に合わせた事例
見切り材を選ぶ際は、「床に馴染ませるか」、「アクセントにするか」の二択で考えてみましょう。
見切り材はあくまで部材なので、床色に馴染ませるのが基本とされています。つなぎ合わせるどちらかの床色に揃えておくことで、遠目で見たときも自然に馴染ませることができます。
パターン違いの「木質×木質」の組み合わせ。この事例では、見切り材にも床色と同系色をセレクトして、目立たせないように仕上げています。
ーーーーーー
床:「ラシッサ Dフロア」
(奥)パーケット調 ナチュラルオークF、(手前)ナチュラルオークF
見切り材:「床見切り材」ナチュラルオーク
ーーーーーー
この空間は「タイル調×木目調」床の仕切りとして、木目調の色に合わせた見切り材を使用しています。
ーーーーーー
床:(右)「ラシッサ Dフロア」テンダーオークF
床:(左)「ラシッサ Dフロア 耐水・ペット」マーブルホワイト調
見切り材:「床見切り材」テンダーオーク
ーーーーーー
床色とは異なる見切り材を合わせた事例
反対に見切り材を「アクセントとして活用する」ことも可能です。
しかし、色の合わせ方次第では見切り材が悪目立ちしてしまい後悔するパターンも…。
そんなことを防ぐためにも事前にしっかりとイメージして、施工業者さんに伝えておくことが大切です。
SNSで人気沸騰中!アルミ素材のスリムな「見切り材」がお洒落!
「薄床見切り材(アルミ)」のシャイングレー(LIXIL)
近年人気が高まっているのが金属調のスリムな見切り材。デザイン性を追求して細部にまでこだわりたい人におすすめで、SNSを中心に話題を集めています。
「薄床見切り材(アルミ)」のシャイングレー(LIXIL)
タイル調と木目調の床材の間に金属色のスリムな見切り材を施すことで、見切り材としての面積は最小限に抑えつつ、シャープでスタイリッシュな印象にしてくれます。
金属調の見切り材は、ステンレスやアルミ、真鍮など各メーカーから様々な素材で展開されているので、カラーだけでなく、素材の風合いや経年変化の特徴なども押さえながら選んでみても良いでしょう。
種類豊富!リクシルの選べる「見切り材」ラインナップ
「ラシッサ Dフロア」のカラーバリエーション。それぞれ専用カラーの床見切り材をご用意
現在、リクシルでご用意している床の見切り材は全22色。
床の見切り材は、ラインナップしているすべての木目調・タイル調の床材と同じカラー数をご用意しているので、どの床材にも組み合わせが可能です。
「薄床見切り材(アルミ)」のシャイングレー(LIXIL)
*リクシルからアルミ素材の見切り材が登場!
23年9月には、待望のスリムな見切り材「薄床見切り材(アルミ)」が新登場。
アルミの質感と厚さ8mmの細さで床面をよりスッキリと、スタイリッシュに見せてくれます。
「薄床見切り材(アルミ)」は2色展開。
木目調の床にも馴染みの良い少し温かみのある金属色「シャイングレー」と、無機質な印象のニュートラルなシルバーカラー「シルバー」、お好みの方から選んでいただけます。
「見切り材」にもこだわって、後悔しない家づくりを
今回紹介した事例のように、オープンな空間の床材を変えることで、ドアや壁を使わず空間をゾーニングする事例も増えてきています。
「床材同士の境界線には見切り材が走る」ということを念頭に置いて、細部までこだわった家づくりをしてくださいね。
【見落とさない家づくり】の記事一覧を見る
取材執筆:佐藤有香