素敵な日々をおくる “あの人”のお部屋にお邪魔する企画「MY ROOM」。今回はモデルとして、ジュエリーデザイナーとして活躍する小林有里さんのご自宅をご紹介します。
ファッションや日々の暮らしを切り取ったインスタグラム(@lilyshandmade)が人気の小林有里さん。
両親から譲り受けたマンションをリノベーションしたお部屋に、家族4人で暮らす小林さん。リノベーションした際のこだわり、お気に入りの家具などインテリアのポイントを伺いました。
▼小林有里さんのインタビューはこちら
【あの人の暮らし】迷いながら辿りついた、シンプルで豊かな暮らし
“収納スペース”が叶える、心地よい広々空間
ご両親が住んでいたマンションを譲り受け、1年前にリノベーションしたという小林さん。
廊下の扉を開けると、すっきりとしたリビングが広がります。クールな家具とグリーンがバランスよく配された開放的な空間です。
小林さん:「イメージしていた理想のインテリアに近づけたかったので、ショールームには足繁く通い詰めました。床も壁も天井も、水栓などの細部に至るまでこだわりがあったので、リノベーション業者さんにはたくさんわがままを聞いていただきました。あまりの熱量に担当の方も『こんなお客さんは初めてだ』と笑っていました(笑)」
そんなエピソードがあるくらい、小林さんのお部屋にはこだわりがいっぱい。リビングは一言で表現すると“広々すっきり”。驚くほどの開放感です。
小林さん:「部屋が余計なもので散らかっていることが嫌なので、収納にもこだわりました。 “収納”=収納家具を置きがちですが、スペースを占領してしまうので、収納家具は置かず、家自体に収納スペースを設けたんです」
右側の白い扉が、リビングに設えた収納スペース。扉を開けると、約1.5帖のスペースに子どものおもちゃ、日用品のストック、リビングに置かれがちな電話機やプリンターに至るまで。生活感が出てしまうアイテムはここに隠れていました。
小林さん:「リビングの物を減らすことはメリットが多いです。障害物がないのでロボット掃除機が大活躍してくれます。あとグリーンも映えるんですよね。観葉植物のお世話をしていると気持ちも良いし、いろいろなモチベーションがアップします」
伸び伸びと過ごせる広いリビングは、家族みんなのお気に入りの場所。4歳の娘さんも、ママとの約束を守ってきちんと片づけをやってくれるのだとか。
小林家のこだわり材質は、モールテックス&無垢材
リビングと同じ空間にあるのが素敵なキッチンスペース。システムキッチンには深みのあるグレーが美しい「モールテックス」という素材が施されています。
「モールテックス」はベルギーのBEAL社から発売されている左官材のこと。高級感のあるざらっとした手触りで、海外ホテルやレストランのような雰囲気を演出できます。
小林さん:「キッチンはこの部屋のシンボルになる場所なので一番こだわりました。壁面は収納スペースにして、食器やゴミ箱などの全てをこの中に収めています」
そのキッチンから見えるリビングスペースの床は全て無垢材。こちらはご主人のこだわりなんだそう。
小林さん:「モノトーンで無機質な感じもありつつ、ぬくもりも感じられる。手塗り独特の筋があることで、かっこよさとほっこり感が両立していると思います。裸足で歩いた時の心地よさを考えると、絶対無垢材!と、主人が譲りませんでした(笑)」
小林さんも娘さんも、裸足で気持ち良さそうに過ごしていました。
小林さん:「本当に気持ち良いですよ。無垢材は傷つきやすいのがやや難点ですが、変化していく味も含めて楽しもうと思っています」
存在感のある室内ドアは、シリーズで揃えて統一感を
キッチン横の室内ドアにはLIXILの「ラシッサD ヴィンティア」チャコールブラックを採用。キッチンの「モールテックス」素材との相性も抜群です。
小林さん:「もともとモノトーンが好きなのもありますが、床や家具に採用しているぬくもりのあるウッド素材と相性が良かったのでこの色に決めました。真っ黒ではないニュアンスのあるブラックカラーがとても気に入っています」
このほかにも、お部屋の至るところでLIXILの室内ドアを発見しました。
白いルーバー付きの扉は、ラシッサSのクリエアイボリー。バスルームの入り口です。湿気がたまりやすい場所だからこそ、開閉式のルーバーで風通しの良さをキープします。
そのほかの扉はリビングと同じ「ラシッサD ヴィンティア」チャコールブラックのデザイン違いが採用されていました。
それぞれ違う場所に設置される室内ドアでも、同じシリーズや、素材・カラーで統一すれば家全体に一体感が出ますね。
ヴィンテージ家具が映えるウッディなリビングダイニング
「カリモク60Kチェア」とヴィンテージのコーヒーテーブル。すっきりとしたリビングで光るのが、ご夫婦で厳選したというこだわりの家具たち。シンプルでウッディなぬくもりを感じる家具が並んでいます。
小林さん:「丸い一人がけソファは結婚前に主人へプレゼントしたものです。もともとヴィンテージですが、購入して10年以上経ったのでつい先日革を張り替えました」
ファッションもヘアメイクも、気に入ったら同じスタイルを長く楽しむ。という小林さんらしいセレクトです。
小林さん:「ダイニングテーブルはtoolboxのものを。チェアはあえてバラバラのデザインを選ぶことで動きを楽しんでいます」
チェアは「カールハンセン&サン」のYチェア、「ジャン・プルーヴェ」のスタンダードチェア、「マルニ木工」のHIROSHIMAシリーズ2型、子ども用は「ストッケ」。
異なるチェアながら、“ブラック×木目”というルールを設定することで全体が調和されています。
小林さん:「家具は“長く使える”ことをポイントに選んでいます。だから飽きないようにデザインはシンプルなものをセレクト。経年劣化ではなく、家具自体の質感の変化や傷も“味”として楽しんでいきたいです」
何かを選ぶときは必ずご夫婦で話し合いをしてから決定するという小林さん。それぞれのこだわりが反映されたおしゃれなお部屋は、おふたりの趣味を尊重し合っているからこそ完成されるのかもしれません。
収納のコツ、家具の選び方など、小林さんのテクニックをぜひご参考にしてみてください。
・Photo by:山田健司
・Writing by:小野喜子