空間をゆるやかに仕切り、光と風を通すリクシルの室内窓「デコマド」。
この記事では、インテリアショップ「CRASH GATE(クラッシュゲート)」で空間コーディネートを担当する静亜希子さんに、「デコマド」のある空間をご提案いただきました。
この春、新たに仲間入りする木目調の「デコマド」は、木の温もりと安らぎを感じられるナチュラルコンシャスなコーディネートにぴったり。「デコマド」を取り入れることで得られる効果や、アイテムをバランス良く組み合わせるためのポイントをお聞きしました。
▼注目アイテム
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□室内窓…デコマド(ナチュラルオーク)
・両側壁納まり×窓台設置 コーナータイプ 3列2段+2列2段
・本体…上段 突出し窓(透明ガラス)下段 FIX窓(透明ガラス)
□室内ドア…ラシッサD パレット(ナチュラルオーク)
・ガラス…モール
・把手…スクエアL(アイアンブラック)
□床材…ラシッサ Dフロア(ライトクレイ調)
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【自然素材×白】の組み合わせで柔らかく上品な世界観
「白シャツが似合うような、自然体の暮らしを楽しんでいる人」
そんな人が暮らす空間をイメージして、木やラタンなどの自然素材のなかにホワイトのアイテムを組み合わせたコーディネート。
静さん:
「柔らかくもあり上品なテイスト=『ナチュラルコンシャス』な空間を作る場合、家具のデザインがシンプルであることも大切な要素の一つ。直線的なアイテムを意識して選び、甘さを抑えるためにポイントでブラックを取り入れました。
奥にはコーナータイプの『デコマド』を使ってリビングとワークスペースを分けていますが、一体感を得られるように2つの空間のテイストを揃えています」
空間をつなぎ、開放感を生む室内窓「デコマド」の魅力
LIXILの室内窓「デコマド」コーナータイプ。枠は新色のナチュラルオーク
室内窓「デコマド」の効果は、なんといっても空間に“抜け”が生まれること。
無機質で単調な空間に「デコマド」を取り入れると、途端にオープンで優しい雰囲気が高まります。
ワークスペースの内側から見た「デコマド」の様子。枠は新色のナチュラルオーク
静さん:
「『デコマド』を取り入れるときに意識したいのが、2つの空間のテイストを統一すること。奥側に見えるお部屋が全く違うインテリアだと、視界が抜ける『デコマド』の良さを生かすことができません」
ワークスペースのペンダントライト「Bliss mini 3-dining pendant」(ARTWORKSTUDIO)
静さん:
「例えば、ダイニングとワークスペースの照明の雰囲気や、壁を飾るアートのカラーを同じにするなど、統一感を意識しておくことで、スタイリッシュなコーディネートに仕上がるでしょう」
自然素材と相性の良い「クレイ調」の床
ダイニングのペンダントライト「Mallee-pendant」(ARTWORKSTUDIO)、 デコマド奥のポスター「Linocut I」(PAPERCOLLECTIVE)
室内ドアは、「デコマド」のフレームに合わせて「ラシッサD パレット」のナチュラルオーク、床には「ラシッサ Dフロア」のライトクレイ調をセレクト。
静さん:
「コテ塗りの風合いを表現したクレイ調の床は、木質のアイテムとも相性がよく、独特のムラ感が豊かな表情を感じさせてくれます。
ライトクレイ調の明るい色味が、リビングとワークスペースに設置したブルーのアートとも馴染み良く、それぞれのアイテムを引き立ててくれるように感じています」
木の色味を統一した、素材の異なる家具たち
「DINING TABLE JOHAN」(CRASH GATE)
静さん:
「今回のコーディネートでは、まずダイニングテーブルとチェアから選びました。
オーク材で作られたダイニングテーブルは、脚元に入っている金具の黒いラインが、ダイニングの雰囲気を引き締めてくれます」
「DINING CHAIR TUSKER FABRIC」(NOWHERE LIKE HOME)
静さん:
「テーブルに合わせたチーク材のダイニングチェアは、座面の厚みと広さによる座り心地の良さも魅力。座面がやや低めの設計で、小柄な女性でもしっかりと床に足が着くので、長時間座っていても疲れにくいのが特長です」
「CHAIR PINO」(CRASH GATE)
奥のワークスペースには同じ色味で異なるデザインのチェアをセレクト。全体のシルエットや継ぎ目、座面部分など細かいディティールが素材の持ち味を表現していて、ナチュラルな空間にとても合っています。
ソファ「SOFA RIFF」リビングテーブル「CENTER TABLE TUSKER」(NOWHERE LIKE HOME)
静さん:
「リビングは、フェザーを贅沢に使用した白いソファが主役。ボリュームのあるアイテムに白を選ぶと、大きさの主張がなくなり、部屋が広く感じられます。
とにかく座り心地が抜群のソファで、一度座ったらなかなか立ち上がれなくなるほど、ふんわりと優しく体を包み込んでくれます。ファブリックにはリネンが織り込まれていて表情もとても豊かです」
「PLANTER SHELF MANAU」「PLANTER BASKET MANAU」(ともにNOWHERE LIKE HOME)「Panama-floor lamp」(ARTWORKSTUDIO)
「HANGER RACK LAPTE」(NOWHERE LIKE HOME)
静さん:
「ポイントとしてラタン素材を取り入れました。軽やかさを演出してくれるところがラタンの魅力。どっしりとした木のアイテムが多いなかで部分的にラタン素材があることで、抜け感とお洒落感が加わります。
今回のように、複数の自然素材を用いる場合、どうすれば統一感が出る?と悩む方も多いと思いますが、木の色味を合わせることを意識してアイテムを選ぶと、上手にまとまってくれます」
「デコマド×自然素材」で優しさと開放感のある空間を楽しもう
室内窓「デコマド」を中心に、ナチュラルコンシャスに仕上げた今回のコーディネート。木目のカラーを統一し、シンプルなアイテム選びで、優しく上品な空間に仕上がりました。
空間のアクセントとなり、抜け感を生み出す「デコマド」は、汎用性が高く、近年幅広い世代でニーズが高まっています。
「用途ごとに空間を分けたいけれど、一体感も大切にしたい」「仕切られた空間にも光と風を取り込みたい」など、さまざまな要望を叶えてくれる「デコマド」を活用して、空間演出を楽しんでみてくださいね。
▼使用したアイテム
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□室内窓…デコマド(ナチュラルオーク)
・両側壁納まり×窓台設置 コーナータイプ 3列2段+2列2段
・本体…上段 突出し窓(透明ガラス)下段 FIX窓(透明ガラス)
□室内ドア…ラシッサD パレット(ナチュラルオーク)
・ガラス…モール
・把手…スクエアL(アイアンブラック)
□床材…ラシッサ Dフロア(ライトクレイ調)
□キッチン…ノクト(扉 グレージュスタッコ/ワークトップ シルフィーグレー)
□キッチン収納…カノール(扉 ライトグレイン/フレーム ブラック/棚板 ライトグレイン)
□マグネットボード…アクセントボード (ソフトグレー)
□飾り棚…デコカウンター ブラケットタイプ
・カウンター…(ナチュラルオーク)
・ブラケット…ストレート型(ブラック)
□デスクカウンター…集成カウンター(ナチュラルオーク)
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【プロフィール】静 亜希子(CRASH GATE)
株式会社関家具「CRASH GATE」法人課所属。大学卒業後、VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)として、さまざまなテイストの空間演出を手がける。2023年1月、関家具に入社し、モデルルームなどのコーディネートを担当。ミッドセンチュリー、インダストリアル、ノルディック、和モダンなどのスタイルを得意としている。
撮影:岸孝平
取材執筆:佐藤有香