「組み合わせて楽しめるLIXILの建材と人気家具店とのコラボレーションで彩る“私らしい”コーディネートレシピ「スタイル手帖」。今回はLiving Deli編集室から、ミニマルスタイルな空間演出をご提案します。
テーブルやチェア、照明など、主役級アイテムを導入し、それを起点に構成していくのもコーディネートの一つの方法ですが、「好き」を集めすぎてしまうあまり、個性がぶつかりあって調和が取れなくなることがありませんか?
アイテム数を控えた「ミニマルスタイル」をテーマにした、心地良いお洒落空間
今回使用したインテリアは、奇抜なデザインのアイテムはなく、いずれもシンプルなものばかり。一つひとつのアイテムに尖った個性はありませんが、「素材」と「色」をあえてバラつかせることで、洗練されたお洒落な部屋づくりを目指しました。
LIXILの選べる室内ドアからは「ラシッサDラテオ」をチョイスしたコーディネートです。
黒でも白でもない「グレイッシュ」で統一した心地良い空間
選べる室内ドアは「ラシッサD ラテオ」のウォルナット。洗練されたグレイッシュカラーを揃えた「横目使い」が特徴のレーベルです(LIXIL製品)
コーディネートの中心となる室内ドアは、「ラシッサD ラテオ」のウォルナット。
室内ドアに合わせて、部屋全体のアイテムもビビッドな色味やコントラストの強いものは用いず、「グレイッシュ」と「グラデーション」を意識し、空間全体に“優しさ”を感じられるように組み合わせました。
床は「ラシッサ Dフロア」チェスナットF(LIXIL製品)。室内ドア、家具、床でグラデーションを作る空間演出
床にはチェスナットの明るい色味をセレクトしました。室内ドアが「コーヒー濃いめ」のカフェラテなら、床は「ミルク多め」と言ったところです。
インテリアには、その中間色であるオークのアイテムを置くことで、バランス良くグラデーションコーデが成立してくれました。
室内ドアの採光部分は透明ガラス表面に微細な凹凸をつけたエッチングガラス。光を取り入れながら視線を遮る機能を備えているのが特徴。
また、ラテオの「ドア枠」の色は白(プレシャスホワイト)が標準ですが、「幅木(はばき)」も合わせて白にすることで、空間にフレームを作り、室内ドアと空間を馴染ませてくれます。
ドア枠や幅木のセレクトは見落としがちなポイントですが、コーディネートする上で大切な要素でもあるんです。
ダイニングはオーク材で統一。チェアとベンチの組み合わせで自由な使い方を
ダイニングは「ダイニングテーブルバーニー」と「ベンチバーニー」、チェアは「ペンネ」(※現在販売していません)。(全てCRASH GATE)
ダイニングのテーブル、チェア、ベンチは全てオーク素材のもので揃えました。いずれもかっちりとした四角いフォルムですが、木の風合いを感じられる明るい色味と、ナチュラルなオイル仕上げなので、温かさと優しさを感じられます。
テーブルには引き出しが付いているので、散らかりがちな卓上をスッキリ片付けられるのも嬉しいポイント。
チェア専用座布団もグレイッシュを意識して「イージークリーングレー」を選択(CRASH GATE)
ベンチを置いたのは、さまざまな使い方を想定したからです。暮らしの中で、いつの間にか「自分の席」が決まりがちなダイニング。
固定するのではなく、お子さん、お父さん、お母さんが3人で並んで座ってもいいし、気分によってチェアとベンチを使い分けるのも楽しいですよね。自由度高く使えるのがベンチの魅力でもあります。
また、ベンチを取り入れることで、空間に段差が生まれるため、部屋を広く見せてくれる視覚効果もあります。
テーブルとチェアの脚は太すぎないものをセレクトし、軽やかさを表現しました。無垢素材は多用すると甘くなりがちですが、脚の細さや、四角い形状を意識するとシャープさやソリッドな印象が強まり、甘さを抑えてくれます。
「一人掛けソファ」をプラスすることで生まれる、家族のコミュニケーション
二人掛け、一人掛けのソファはともに同シリーズ「フリート」(CRASH GATE)。あえて素材と色をバラつかせて、遊びと動きを演出
二人掛けソファは、一人が座っていると、もう一人はどこか他の場所に座ることになったりしませんか?ゆったりとくつろぎたいとき、並んで座るとちょっと窮屈に感じることも。
そこでオススメしたいのが「一人掛けソファ」です。二つのソファを対面に並べることで、視線が交差し、コミュニケーションのきっかけにも。
なにより一人掛けソファの良いところは、「自分だけの場所」になるところ。誰が座っても、その瞬間は「自分専用のソファ」。心地良くないはずがありません。
今回使用した一人掛けソファは、二人掛けと同シリーズのものですが、あえて素材を統一せず、コーデュロイをセレクトしました。素材を変えることで、ベーシックなアイテム同士でも遊び心が生まれますし、空間に動きが出せるんです。
使っている無垢材や背もたれ、肘掛けのデザインが同じだから、ファブリック部分を大胆に変えても、ちぐはぐなコーディネートにはなりにくいので安心です。
フロアランプは「Espresso floor lamp」(ART WORK STUDIO)。主張しすぎない佇まいがミニマルスタイルに最適
このフロアランプはコーディネートの中でも特にこだわって選んだアイテムです。「エスプレッソ」の商品名の通り、コーヒーを連想させるカラーが特徴で、ラテオの室内ドアとの相性も抜群。
ベーシックな形状のアイテムが多い中で、背の高いフロアランプを置くことで高低差をつけることができ、動きのある空間に仕上げてくれます。
暮らしに「ちょうど良く」フィットするアイテム選びを
フロアランプとソファにも、室内ドアと床色の中間トーンのグレイッシュカラーをセレクト
今回のコーディネートが完成した時、「使いやすくて、居心地の良さそうな部屋だな」という印象を持ちました。
デザイン性の高いアイテムや、ビビッドな色調の小物を揃えた遊び心満載の部屋は面白く、刺激的ですが、「最低限のものでやりくりできる日々の暮らし」を考えた時、このくらいがちょうど良く生活にフィットしてくれそうだと思います。
使いやすいアイテムや、生活に馴染みやすいアイテムを選んだとき、「無難にまとまりすぎ?」という不安を持ったなら、色のトーンをグラデーションにしてみたり、ファブリックの素材だけを変えてみたりするのもテクニックの一つ。ぜひ参考にしてみてください。
・撮影:山田健司
・取材執筆:佐藤有香