能城政隆さん 株式会社NOZY珈琲 代表取締役 ブレンドのないコーヒー屋でいこう、と決めました

ブレンドのないコーヒー屋で
いこう、と決めました

能城政隆さん株式会社NOZY珈琲 代表取締役

能城政隆さんインタビュー前編

コーヒーにおける「シングルオリジン」の魅力や意味にいち早く着目して、
今に続くブームの先駆けとなった「NOZY COFFEE」。
オーナーである能城政隆さんを、コーヒービジネスへと駆り立てたものとは?
真摯な語り口に、コーヒーへの熱い情熱がにじみます。

2010年夏、世田谷公園のすぐ近く三宿の地に、1軒のコーヒー専門店が誕生した。店の名は「NOZY COFFEE」。最寄駅から歩くと15分ほど、決してアクセスがいいとは言い難い立地ながら、わざわざ目指して訪れるコーヒー好きが引きも切らないほどオープン当初から注目を集めた。特筆すべきは、この店が「ブレンドのないコーヒー屋」だったこと。3人の仲間とともに店を立ち上げたのは、春に大学を卒業したばかりの若きオーナー・能城政隆さんだ。

きっかけは雑誌のコーヒー特集

きっかけは雑誌のコーヒー特集

高校までは野球一筋だった能城さん。コーヒーに目覚めたのは大学生になってからだったという。
「たまたま手に取った雑誌のコーヒー特集を見て、おもしろいなと思って、大手コーヒーチェーンでアルバイトを始めました。当時はコーヒーにそんなに興味があったわけでもなければ、知識もまったくなくて。でも勉強していくうちに、コーヒーを取り巻く社会問題や生産地の貧困問題を知って、コーヒー業界に蔓延する矛盾を払拭できないだろうか、と考えるようになりました。真剣にコーヒービジネスに取り組もう、そう決意したのは20歳の頃です」

産地の真実が知りたくて、いきなりエチオピアへ

産地の真実が知りたくて、いきなりエチオピアへ

同じ頃、生産者の貧困をセンセーショナルに描いた『おいしいコーヒーの真実』というドキュメンタリー映画に出合う。
「衝撃でした。映画自体がいわば大手チェーンに代表されるコーヒー会社批判であり、解決する方法はフェアトレードしかないと断言する。その姿勢に、ものすごくモヤモヤしたものを感じたんです。そして、モヤモヤを解消するには舞台となっているエチオピアに行くしかない!と。実は初めての海外で、しかも当時のエチオピアは政情が不安定で避難勧告が出ているような状態でした。それでも命を賭けてでも今行かなければ、この先何も生まれない、と強く思いました」

産地の真実が知りたくて、いきなりエチオピアへ

「真実を知りたい」というまっすぐな情熱と衝動。いてもたってもいられず出かけたエチオピアで、実際に生産者に話を聞くことで知ったのは、「不自然で、不都合な真実」だった。過度に歪められた貧しさの描き方、登場していた生産者が貧困をビジネスにするような人物だということ……。映画への不信感は確信となった。同時に、産地が貧しいという厳然たる事実も目の当たりにすることとなる。
「あのときの未熟な正義感みたいなものが、私の根っこになっているのかなと思います」かつての大胆な行動を、能城さんは、今こんなふうに振り返る。

おいしいコーヒーを知ってもらうために出した答え

おいしいコーヒーを知ってもらうために出した答え

エチオピアでの経験はまた、フェアトレードへの考えを見直す機会ともなった。
「フェアトレードだから、オーガニックだから、味は二の次でも値段が高いのは当たり前。なぜ消費者は企業の思惑どおりに、味ではなく付加価値にお金を払うのだろう?そう考えたとき、消費者がおいしいコーヒーを評価できていないことに問題があるからだと気がつきました。じゃあ、おいしいコーヒーを評価できないのはなぜか? 行き着いた答えが、日本に深く根付くブレンド文化でした」

おいしいコーヒーを知ってもらうために出した答え

誰にとってもなじみ深いブレンドコーヒー。「スペシャル」「オリジナル」などと冠がつけばなお、「おいしいのかな」と手が伸びるというもの。しかし、ブレンドすることによって、豆がいいのか、ブレンドがいいのか、焙煎がいいのか、おいしさの本質は見えにくくなる。当然のことながら、生産者へ意識を向けることもなくなる。

シンプルにクオリティと向き合って、おいしいコーヒーを知ってもらう。それが、ひいては消費者も生産者もハッピーになれる最善の方法なのではないか。能城さんの思いは定まった。自分の店は「ブレンドのないコーヒー屋」でいこう、と。

撮影/名和真紀子 取材・文/河合映江 
取材日/2018年5月23日

能城政隆(のうじょう まさたか)

能城政隆(のうじょう まさたか)

1987年千葉県生まれ。慶応大学在学中、コーヒーにまつわる社会問題や高品質コーヒー市場とその文化について研究。4年時には、神奈川県湘南台に期間限定でコーヒースタンドを開く。2010年、世田谷区三宿に「NOZY COFFEE 三宿店」をオープン。生豆の買い付けから焙煎、販売までを手がける。2013年、原宿に「THE ROASTERY」、2018年6月、ANAクラウンプラザホテル成田に初のプロデュース店「THE GATEWAY NARITA by NOZY COFFEE」をオープンさせる。

NOZY COFFEE 三宿店

東京都世田谷区下馬2-29-7
TEL 03-5787-8748
平日 11:00〜18:00 休日 9:00〜18:00

全国のリクシルのショールームで、
実際にご覧いただけます。

リクシルのショールームは、買う予定がなくても、プランが未定でも、
お子さま連れでも見学可能です。
納得いくまで何度でも、自由に見学してください。

浄水器内蔵キッチン水栓 トップページ