お客さまの内なる声に
耳を傾ける。
お客さま視点に立った進化を、デザインで加速させる。
1980年代、医療施設でニーズの高まり。
非接触で水を出すことができるタッチレス水栓は、1980年代に医療施設を中心に導入が始まりました。それ以前の医療現場では、感染症対策のため足踏み式水栓が使用されていましたが、より簡易な操作で水が出せるタッチレス水栓が主流になっていきました新型コロナウイルス対策でニーズが高まっているタッチレス水栓の原点は感染症対策であり、その後、清潔性が求められるパブリックに普及していったのです。
1990年、「オートマージュ」発売。
LIXIL(当時 INAX)は、パブリックトイレ用の「オートマージュ」を発売しました。これは吐水口に向かって流れる水力を利用した世界初の自己発電式(アクアエナジー)の自動水栓です。自動水栓にも関わらず工事の負荷が少なく、電力コストが全くかからないことが高く評価され、第1回省エネバンガード21通商産業大臣賞(現在の省エネ大賞)を受賞しました。この技術は、現在のタッチレス水栓に受け継がれています。
家庭用のタッチレス水栓を開発すれば、暮らしはより便利で衛生的、さらに節水でエコになる。そう考えた私たちは2004年に当時の中高級洗面化粧台に業界初※となる「オート水栓」を搭載しました。しかし、出荷数は想定していたほど伸びませんでした。そのいちばんの原因は、当時人気を集めていたホース引き出し機能とタッチレスセンサーの両立が技術的に難しく、ホース引き出し機能なしで製品化したからです。※流量、温度調節レバー付自動水栓として
「オート水栓」の失敗から、私たちは大切なことを学びました。それは、今つくれるものを製品化するのではなく、お客さまに対してつくるべきものを製品化することです。技術的なハードルからあきらめてしまったホース引き出し機能とタッチレスセンサーの両立も、お客さまが望むなら突破口が見つかるまで試行錯誤し、何として も実現してみせる。そんなユーザーベネフィット発想が、当時ニーズが高まっていたキッチン用タッチレス水栓の開発に活かされ、新しい形態と技術を生み出す基礎になります。
タッチレスセンサーとホース引き出し機能の両立。それを初めて実現したのが、新しい形態「グースネック」の「キッチン用タッチレス水栓ナビッシュ」です。手をかざしやすい前側にタッチレスセンサーを配置。さらに、業界に先駆けて先端部分にホースの引き出し機能を備えており、当時の調査で把握していたキッチン用水栓に対する不満(下記参照)を解消しました。「グースネック」は、そのアイデアが出たとき“これでいこう!”と全員一致で決定したエピソードがあるほどの理想形で、現在のキッチン用タッチレス水栓の原型になっています。
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