くらしに欠かせない素材の一つ、アルミニウム。便利な一方で、製造過程でCO₂を多く排出するってご存知でしたか?アルミ需要が高まるなか注目されているのが、建物を作る際の建材に使われるアルミニウムのリサイクルです。
アルミニウムは、原料のボーキサイトという天然資源の鉱物を電気分解して新地金を作る「製錬」と呼ばれる工程で、大量の電気を使用します。この大量の電気がCO₂排出の原因なんです。
一方で、使用済みのアルミ製品から地金を得られれば、製錬工程で発生するCO₂排出に比較して約97%削減できて大量の電気は不要に。気候変動対策として、アルミニウムのリサイクルが期待されています。
アルミニウムと聞くと、アルミ缶を思い浮かべて、リサイクルのイメージを持つ方も多いのでは。実際、アルミ缶のリサイクル率は9割を超え、高い数値となっています※。一方で、アルミはビルや住宅で使われる建材にも多く使われていて、実は、建設分野のCO₂排出量は、全世界のCO₂排出量のうち37%も占めているんです。そこで建物を作るときのCO₂排出量を減らそうという動きがあるなか、リサイクル材によるアルミ建材が求められていました。
LIXILでは2022年に、アルミリサイクル率70%の低炭素型アルミ形材「PremiAL R70」(プレミアル アール70)を発売。2023年秋には、アルミリサイクル率100%を実現した「PremiAL R100」の展開を開始しました。PremiAL R70は新地金を使用した製品に比べてCO₂排出量55%削減、 PremiAL R100は約75%削減に貢献しています。
PremiAL R100、PremiAL R70ともに、第三者認証「【エコリーフ】環境ラベル」を取得していて、CO₂排出量を見える化することで、建物の環境価値を高めることに貢献しています。
※アルミ缶リサイクル協会調べ
アルミニウムのリサイクルは品質を保つのが難しく、LIXILの技術者たちも、かなり苦労しました。ですが、25年以上前からアルミリサイクルに取り組んできたLIXIL。長年培った世界屈指の技術や知見、ビジネスパートナーとのネットワークが活かされました。開発に携わった技術者は次のように話しています。
「R100の量産化に成功した時は、この開発に関わることができてよかったと心から感動しました。これもすべて過去からの積み重ねや、パートナー企業との協力関係があってこそできたことです。今後はさらにグローバルなCO₂削減に貢献したい。日本ばかりでなく世界で採用されるようにこれからも研究を続けていきたいと思っています」
PremiAL R70やPremiAL R100を使用した建物が、皆さんの近くにもできるかも?ぜひ注目してみてください。
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