皆さんがご覧になるテレビ番組の多くは、リモコンの操作で字幕を表示できます。では、テレビCMはいかがでしょうか? 全国のテレビ局のすべての時間帯で、字幕付きCMを放映できるようになったのは、実はつい最近。2022年のことでした。LIXILのテレビCM(BS放送を除く)のほとんどが2022年から字幕付きに。字幕対応を推進した担当者に話を聞きました!
日本で初めて、字幕付きテレビCMが放映されたのは、2010年のことだそうです。しかし、テレビ局の受け入れ体制が整っていなかったり、字幕付きCMに対応できる制作会社が少なかったりなど、なかなか普及しませんでした。2021年時点でも普及率はまだ1%程度だったそうです。
LIXILで字幕付きテレビCM制作を推進した福田 真理子(マーケティングコミュニケーション部 マスコミュニケーショングループ リーダー)は次のように話します。
「LIXILの同僚としても聴覚障がいのある従業員がいて、私自身、字幕の必要性を身近なこととして感じていました。そのため、2020年に着任してから、協力会社各社に問い合わせを重ねるなどして、検討を開始。大変なことも多かったのですが、2022年に、字幕付きCMが完成しました」
CMに字幕を付けるにあたっては、聴覚障がいのある従業員にも協力をあおいだそうです。
「当事者に的確な意見を聞けたのは、大きな成果でした。聴覚障がいのある方にとって字幕は重要な情報だと改めて教えてもらう機会になりました」
そして、福田はこう続けます。
「この過程で気づいたのは、『同じ会社の仲間にすら、広告のメッセージが届いていなかった!』ということでした。字幕を追加することで、より多くの人に私たちのメッセージを伝えられると期待しています」
聴覚障がいのある従業員を中心に活動しているグループ「ミミシル」によると、字幕付きCMを見て、LIXILへの入社を決めた従業員もいるのだとか。字幕が付いたことで、LIXILのことをより知ってもらえるようになったのですね。字幕付きCM は、LIXILが重視する「多様性の尊重」をまさに体現しているもの。今後も多くの方に見ていただけたらと思います。