パラバドミントンの長島理選手からのお便り!!

長島理選手

東京2020パラリンピック
出場を目指す長島理選手

facebook twitter

アスリートとして普段気を付けていること 〜アンチドーピング〜

2019.12.18

KNOWLEDGE

東京2020大会に向けて世界へ挑む機会が増え、特に近年では色々な経験をさせてもらっています。テレビを通じてしか見ることができなかった人と直接話せたり、様々な国の人と出会えたりしたことは良かったですが、その一方で制約もたくさんあります。
今回は、その中でもっとも大きな制約の一つである、ドーピング対応(アンチドーピング)について触れます。

アンチドーピングはアスリートの義務

近年では、ドーピングについて社会的な認知も進み、アスリートの義務であることをご存知の方も多いと思います。

薬の力に頼って筋肉を発達させたり持久力を向上させたりするなどというのは、健康を害する可能性があるだけでなく、スポーツの価値を落としかねません。そのようなことは、断じて許すことはできません。

禁止薬物とは

一般に禁止薬物として想定されるのは、筋肉増強剤(タンパク同化ホルモン剤)などといわれる薬かと思います。このような薬を使わない、飲まないというのは当然ですが、ドーピングで対象となるのは、うっかり飲んでしまった薬にも及びます。

例えば、市販の風邪薬の中には、興奮作用がある「エフェドリン」という成分が含まれることが多いです。これらの風邪薬をうっかり大会期間に飲み、ドーピング検査を受けて違反が確定すると、禁止薬物摂取で数年間の出場禁止が言い渡されます。

また、最近ではのど飴に含まれる「ヒゲナミン」という成分も2017年から禁止物質に追加されました。うっかり、その成分が含まれるのど飴をなめた後に検査を受けたら…これも同様の処分となります。

食べ物や飲み物にも注意が必要

また、他人の食べ物や飲み物に禁止薬物を混入させるということは、海外では過去にも実例があったと聞いています。

そのため、他人からもらったものは食べない、飲みかけのドリンクは常に携帯しておく、またはどこかに放置してしまったらもう飲んではいけない、ということは指導されており、私も遠征時にはある程度実践していました。他人から混入されたのを証明することは極めて困難なので、自分の身は自分で守るしかない、というのが考え方の根本です。

抜き打ちで検査を受ける場合も

さらに、競技会場だけでドーピング検査を受けるわけではありません。

私も含め一部の選手は、競技会場外でも検査の対象となり、寝ている時間以外の5:00〜23:00の間で、抜き打ちで検査を受けることもあります。パラバドミントンの選手の中には、自宅で寝ていると朝の6時にチャイムが鳴り、ドアを開けたらドーピング検査員だった、という経験をした選手もいます。

このような競技会場外で抜き打ち検査をするためには、「居場所情報」を提供する必要があります。つまり該当の選手は、自分がいつどこにいるか、どこに宿泊しているかを(ホテルであれば部屋番号も)システム上で報告する義務があります。ちなみに抜き打ち検査で自分が指定した場所にいないことが12か月の間に3回続くと、それもドーピング違反とみなされます。

アスリートとしての義務を果たしながら世界へ挑み続けています

そういうわけで、アスリートにはプライバシーもありません。もちろん、このご時世ですからドーピング検査関係者以外にはこれらの情報は漏れないはずですが…。相当程度に「常にゆるぎないインテグリティをもって行動」しないといけないのは事実です。

このように、自分が口にするものには細心の注意を払い、自分がどこにいるかも常に明らかにしなければならない。アスリートは大きな制約を受けながら生活しています。そういうことがわかっていただけると、スポーツの見方もまた変わってくると思います。

トップページへ戻る